睡眠時無呼吸

睡眠時無呼吸症候群(睡眠呼吸障害)

「薬を服用していても血圧が高い、昼間眠い、集中力の低下、家族にイビキや無呼吸を指摘された、頻回の夜間覚醒や夜間尿、早朝も血圧が高い」等のある方は、ご自宅で動脈血酸素飽和度の低下や、脈拍の変化を確認できる簡易検査ができます。また、より詳しい検査も可能になりましたので確定診断されたい方はお尋ねください。


※循環器疾患と関連している場合がございますので、上記の症状がある場合、この検査をお勧めしております。

一般的に言われている睡眠時無呼吸症候群の原因

  • 肥満のため、あごや首に脂肪がついている。
  • 寝酒が習慣化。アルコールの摂取により筋肉がゆるんで、のどがふさがりやすい。
  • 肥満でなくても、下あごが小さい、小顔。鼻の空気の通り道が曲がっている。
  • 扁桃が大きい。花粉症やアレルギーなどで、鼻が詰まりやすい。
  • 舌や舌の付け根が大きい。等、顔や首まわりの形体的特徴に起因する場合もあります。

睡眠時無呼吸症候群には、上気道の閉塞に起因するもの(上記の原因として挙げた特徴に起因する方)と、脳幹呼吸中枢の活動停止に起因するものがあります。起因別の比率としては9対1で、上気道の閉塞起因のものを差します。

循環器疾患と睡眠呼吸障害

高血圧との関係

睡眠時無呼吸症候群と高血圧は関連性が強く、例えば、同じ体重でも睡眠呼吸障害の人は健康な人に比べて高血圧になりやすいことなどがあります。

また、高血圧症のなかには薬が効きにくい治療抵抗性の高血圧があります。睡眠時無呼吸症候群との関係で言いますと、治療抵抗性の高血圧患者様の睡眠呼吸障害合併率が非常に高いです。

明確な原因疾患のない高血圧は、かなりの割合で睡眠時無呼吸症候群が原因となっていることが分かってきており、高血圧の原因疾患の一つでもあります

糖尿病との関係

睡眠時無呼吸症候群と肥満・高血圧との関係から、睡眠呼吸障害と糖尿病の合併(睡眠呼吸障害→肥満・高血圧→糖尿病)とは関連性はイメージできますが、実は、睡眠呼吸障害自体が糖尿病を起こすこともわかってきております。つまり、睡眠時無呼吸症候群を罹患している方は肥満の有無に関係なく糖尿病になる可能性があるのです。

その他

睡眠時無呼吸症候群が影響を及ぼすものとして、動脈硬化や、夜間の低酸素血症、交感神経の活性等による冠動脈プラークの不安定化、血液凝固や血栓形成の促進等があります。

うつや認知症との関連も報告されており、狭心症、心筋梗塞等の背景に隠れた睡眠時無呼吸症候群がある場合もあります。そして、これらは睡眠時無呼吸症候群の重症化とともに進展すると考えられています。

繰り返しになりますが、上記のように、睡眠時無呼吸症候群は、循環器疾患と関連している場合がございます。思い当たる症状がある場合は、SAS検査(睡眠時無呼吸症候群=SAS〈Sleep Apnea Syndrome=SASサス〉スクリーニング)をお勧めしております。